発表のかたちいろいろ その3

※タイトルを見ておわかりの通り、その1、その2があります💦

ご興味ありましたらぜひ前の投稿2つを先にお読みいただけますと

ありがたいですm(__)m

 

実際にNちゃんが行った発表(ミニ授業)は5分間という限られた時間内でした。

この発表をしようと思ったきっかけを話すところから始まります。

発表会の台本がめっちゃ言いにくかったことを思い出した。

なんで言いにくかったのかな…とモヤモヤしていたので、言いにくかった原因を探そうと思った。

仮説1.2.3を経て、最終的に「言いにくさの正体」は、

発音するときのあご・舌の動きにあったということを発見します。

 

ここから、じゃあ「言いにくさを克服する方法はあるのか?」というように、

さらなる学びへと繋がります。

今までは、わからない言いかたの単語や文章があったら

CDを聴く/マネをする/暗記をする などしていたけれど、

この発表で学んだことで、言いにくいときは

その単語を音で分ける→一つずつ口の形をさわったりして音をたしかめる→

繋げて言ってみる→これを繰り返す という方法を手に入れました。

この方法を自分のものにしたNちゃんは、それからはわからない音があっても

私に聞く前に「音を分けてみよう!」と言って、音素で分解し、自分が知っている

フォニックスのルールを使って言えるということを学んだのです。

 

これは、自立した学習者として大きく前進したことになります。

CDの通りに言えるようになったとしても、それはただのマネ・丸暗記にすぎません。

その学び方では、いつか限界が来る。

ルールを知れば、どんな単語が来ても自分は大丈夫!と思えますよね。

 

このCOMPETITION後、レッスンの中で同じクラスの友だちの前でも発表をしました。

今までやってきた発表会とは全く内容が違うことに驚いた他の子たちは

「とても役に立った!自分もその方法を知っているから、難しい単語も読める気がする」

「自分も実はあの台本にモヤモヤしていたから、スッキリした!」

「どうやったらこういう発表ができるの?」などの感想がありました。

Nちゃんは、一番身近な友だちからフィードバックをもらえたことで、

「自分の研究は他の人の学びに貢献した」という実感を得たと思います。

 

以上、発表会のかたちを2つ紹介いたしました。

どちらも、実際は大人の力を借りなければできないことなので、

大人と子どもの協働によって生まれるものですが、

後者の発表スタイルのほうが、子どもたちの学びが格段に深いことが

おわかりいただけると思います。

たった一つのモヤモヤから生まれた、深い主体的な学びです。

 

この活動を通じて、私自身もいろいろと考えました。

よく子どもに

「なんでもいいからわからないことがあったら聞いてね」などという

問いかけをしていましたが、

一方的な説明や指導を受けているだけの子どもたちからは

”問い”が生まれ得ないということです。

”問い”が生まれなければ、気づきにも繋がらないので、

日々子どもたちが「なんで?」「どうして?」と思い

「わかった!」と自ら気づくようなレッスンをしていく必要があります。

その小さな”問い”を見逃さず拾ってあげるために、

子どもたちの様子をよく観察することも大切です。

 

私のレッスンでは、今年度に入ってから子どもたちには

「振り返り」をする時間を作っています。

そうしないと”問い”が流れて行ってしまうからです。

「振り返り」を始めた子どもたちは、最初は

「楽しかった」「またやりたい」「ほめられてうれしい」

というような浅い振り返りしかできませんでしたが、

私のしつこい質問(苦笑)の効果が少しずつ出てきて

振り返りの質が変わってきている子がいます。

わからなかったことが少しずつ言語化できるようになっているなと

思います

それを次のレッスンで他の人と共有することで

自分ひとりでは生まれなかった、知り得なかった気づきを得る。

その気づきから仕組みを取り出して他の学びにも応用していくのです。

 

実際うまくいくことのほうが少ないです。

自分自身の「振り返り」もまだまだ浅いので、

子どもたちや他の先生方と共に協働しながら、この作業を続けていきます!

 

 

 

 

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