願ったようになる

今年の夏は暑い!THM English school講師の松尾ひろみです。

今年度(2022年度)お教室は、8月2日の振替レッスン後は、幼児さんと小学生さんのクラスは

夏休みに入りました。

中学生・高校生の生徒さんたちは夏休みに入っても変わらず、それぞれの目的を持ってレッスンに

通ってくれています。

・英検対策

・学校の英語学習の復習

・英語の基礎立て直し など。

 

さて、私の英語教室では、特にこういう子どもたちを助けたい…と思っています。

・英語の授業についていけなくて苦しいと感じている子どもたち

・小さい頃英会話教室で楽しく英語を学んでいてずっと英語が好きだったのに、

中学校の授業はなぜかわからなくて英語が嫌いになってしまいそうな子どもたち

 

「助けたい」と思った理由。

こんなエピソードがあります。よかったらお付き合いください。長いですm(__)m

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教室を始めたばかりの頃、地域の学校で「学援隊」という学習ボランティアを募集していたことを

知り、登録をしておきました。英語学習のサポートならできると思ったからです。

 

とはいえ、他にも登録しているかたは多くいらっしゃるだろうし、

そんなにすぐオファーが来ることはないだろう…と思っておりましたら、ほどなくして

近所の中学校の校長先生からご連絡がありました。

ぜひ英語の授業に入ってほしいということでしたので、さっそくお話を聞きに行きました。

私がやることは、各学年の英語の授業に入って、担当の先生のサポートをするというものでした。

すぐにでも来てほしいということで、その校長先生との簡単なお話だけで、

当時の私は「私にできるなら」と引き受けてしまいました。

そのとき、英語担当の先生方との話がなかったのを何故私は不思議に思わなかったのか…。

今思えばとっても浅はかでした。情けない限りです。

とうとう具体的に英語担当の先生と事前打ち合わせをすることもなく当日を迎えます。

当日通されて紹介された職員室の雰囲気で、現場の先生方は私が来ることを快く思って

いらっしゃらないことが、表情や目線からよくわかりました。

「あなたに何ができるの。公立中学校という現場のことを何も知らないで。」とでも

言っているかのような目でした。

 

そして実際に教室に行くと、自分がこの学校に呼ばれた理由がわかりました。

あるクラスでは5分と席に座っていられずふら~っと出て行ってしまう子。

「先生、お腹が痛いので保健室に行っていいですか」と言って保健室へ一人で行ってしまう子。

「トイレに行ってきます」と言ったきり教室を出ていき、そのあとはなぜか帰ってこず、

しばらくしてトイレ付近でなぜかの流血騒ぎがあったり。

クラスに残っている生徒たちの中には、下ネタや暴言を吐いて注目を集めようとする子どもたちが

いたり。

 

なぜ私が呼ばれたか。もうお分かりかと思います。

それは、子どもたちの動向を見張ってくれる”目”が必要だったのです。

英語指導のお手伝いをするために呼ばれたわけではないので、英語の先生方との事前打ち合わせも

全く必要なかったのです。

気づけば、私一人では足りず、教室のドアのところにはその時間に授業に入っていない先生方が

3人くらい立っています。

 

こんな混沌とした状態のクラスが多い中、冷静になって見守っていると、クラスの中には

当たり前のように座って先生の話を聞いている子もいますし、

雑談をしている子でも、授業の内容は把握しているようで、それに対して何かを言ったりしています。

 

中1のあるクラスで、ペアワークや個人活動で音読をチェックしていく時間があり、私もそのときは

お手伝いしました(ちなみに、お手伝いさせていただいたのは、そのときと、教科書のワークを

解くときの巡回を1回しただけです(苦笑))。

ただアルファベットを発音よく順番に言っていくチェックなのですが、簡単すぎて音読をやめて

しまう子もいれば、読み方がわからなくてもごもごしている子もいます。

当時(5年前)中学1年生でアルファベットの指導をしていることにも驚きましたが、

「この格差はなんなんだ…」と思いました。

alphabetが簡単すぎて読まない子は、例えば英検の準2級をすでに持っているような子もいます。

一方で、上記のようなアルファベットの名前読みすら満足にできない子もいます。

そういう子たちを同時に教える学校の先生の苦悩もお察しいたしましたが、

それよりなにより、このまま英語の学習が進んでいったとき、後者の子たちは一体

どうなるのだろう…という不安が心の中にもくもくと湧き上がってきました。

 

結局、その中学校には1週間英語の授業に入ってお手伝いはさせていただきましたが、

上記した通り私の目的と学校の目的が合致していなかったので、早々にやめさせていただきました。

 

ですが、このときの経験が、

「英語学習を進めることでしんどい思いをしている子どもを一人でも多く助けたい」

という願いを持つことに繋がりました。

教室を開いて12月でもうすぐ5年が経ちますが、このときの願いが今、叶っています。

思えば去年の夏頃から、さまざまな事情で英語学習につまずきを感じている中学生のお子さまが

一人、また一人とお教室へやってきて、現在10人弱の中学生・高校生の生徒さんが

お教室で学んでいます。一人ひとり事情が違います。

私はその子たち一人ひとりの学習進度、理解度をはかり、どこまで理解していて、どこから

わからなくなっているのかを把握することをし、そこから一緒に積み上げ直しをしていきます。

時間はかかりますが、子どもたちが「ああ、そういうことだったのか!」という表情をしたときや

発言が出たときは本当に嬉しくて、一緒に喜びます。

 

私が教えることは、小学生の子も中学生の子でさえも、同じ内容・同じ順番です。

なぜなら、英語学習とは、必要なことが決まっているからです。

文法と発音。

この基礎を子どもたちが獲得できたら、あとは自由に学べばいいのです。

私は子どもたちの理解度を詳細に記録・観察します。

それぞれの子どもが自分自身で「脳と身体で理解した!」と思うまで確認していくだけです。

この確認作業がとても大変なのですが、子どもが「わかったよ」と言ったからというだけで

安易に決めつけたりせず、できるだけ科学的に分析をし、見誤ることなく前に進めるように、

日々生徒さんたちと一緒に対話をしながら進めています。

2020年から小学5年生から英語の授業が始まり、好むと好まざるとに関わらず

子どもたちは英語を学ばねばならなくなりました。

 

学校でも塾でも、決められた単元を限られた時間の中で指導していかなければならない中、

その波に乗れない子がいて当然です。

その子たちができないのが悪いのではなく、一人ひとりが理解できるような仕組みを作れない

環境が原因だと、おそらく学校の先生方もわかっていらっしゃると思います。

 

子どもたちはどの子も「できるようになりたい」と願っています。

自信を取り戻せるように、私はその手助けをしたい。

 

小さな小さな教室ですが、せめて私が出会った子どもたちだけでも救ってあげたい。

そういう想いで日々試行錯誤を重ね、失敗をしながらも、研究をし、指導しております。

 

「強く願えば、願ったようになるんだな。」

今年も夏休みになって、ふと振り返ってみたとき、そう思います。

 

長文にお付き合いくださったかた、ありがとうございました。

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