自分の「モヤモヤ」は自分で「スッキリ」に変える!

こんにちは!

横浜市港北区高田の小さな英語教室THM English schoolの講師松尾ひろみです。

今年度から、小学生クラスでは文法の学習にはこのテキストをベースに指導しています。

『My Story Time1』

(Creative Debate for Grassroots)

低学年からでも面白おかしく文法用語に触れていきながら、名詞、動詞、形容詞の概念や、文型が学べる方法があることを教えてくださった先生と出会いました。先生が研究に研究を重ね、改善も加えながら製作をされたテキストです。

 

 

小学4年生のクラスでは、SVCの文型を学んでいます。

ある日の宿題で

「S=Cの文章をノートに10個書いてきて~。=のところにam, is, areのどれを入れたらいいかわからなかったら、=でいいからね。」

というものを出しました。

また「SとCにあたる英単語のスペルがまだわからないものは、日本語で書いていいよ。」とも伝えました。

 

ですから、例えばApples are sweet.となるところがりんご=あまい。としてきてもOKということです。

ここでSVCってなに?となった方はこちらをお読みください(^_-)-☆

S=主語…名詞
V=動詞…ここではbe動詞が来ます(be動詞は『イコール動詞』)。
C=形容詞、もしくはSとイコール関係になる形容詞+名詞などが来ます。

この活動を通じて私が大切にしたいのは、

1.それぞれの品詞(名詞、動詞、形容詞)がどういう概念を持つのかの理解

2.SVCという文型の語順の理解

なので、今の段階で英単語をスラスラ書くことは目的ではありません。

ここで無理やり英単語を書かせようとするとどうなるでしょうか?

単語をきれいに4線の上に書くことや、スペリングを間違わないように書くことに集中してしまい、文型の語順の概念を理解することに集中できなくなります。

意味もスペリングのルールもわからないのにひたすら知らない英単語を書かなければいけないとしたら、自分なら退屈で、苦痛にすら思うかもしれません。

 

そうではなくて、ここでの目的はSVCの概念をバシッと入れることなので、

りんご=あまい。と書いてもOKなのです。

まずは母語である日本語で、名詞とは?動詞とは?形容詞とは?ということを学び、英語の文型を用いて文章を作ります。

 

次の週、子どもたちは書いてきたノートを我先にと机に広げました。

そして質問がたくさん飛び交います。

「ねー先生!妹の名前が主語のときはamにしたけど合ってる?」

「季節が主語のとき、Vは何が来るの?」

などなど。

 

こんな質問が出ると私は

「いいね~!いいね~!そうだよね!なんだろうね?一緒に考えよう!」と言って子どもたちを褒めます。

 

私の教室では、この「モヤモヤ」をとても大切にしています。

もし私がここで子どもたちに説明をしながら、赤ペンを手に

「いい?妹はSheだからbe動詞はisだよ。」

と言いながらさっさと書き直していったとします。

きっと子どもたちはその瞬間は理解するかもしれません。

ですが、それはその場しのぎでしかないと思うのです。

 

私は、この「モヤモヤ」を残したまま、次の活動で、名詞を代名詞に変えることの理解を深めるための活動をします。

 

子どもたちが以前ノートにたくさん書いてきてくれた名詞や、私が選んだ名詞をカードにして机の上にばらまきます。そのカードを、I, You, He, She, It, Theyに振り分けていく活動をしていきます。

 

 

私は子どもたちが話し合いながら振り分けていくのをただ見守ります。

この遊びを通して、宿題で自分のノートに書いた「モヤモヤ」を自分で「スッキリ」に変えていきます。

 

「あ!妹はSheだからisか!」

「季節はItになるからisなんだね?」

 

時間はかかりますが、こうした活動を通じて自分で正解に気づき理解すると、私がすぐに正解を与えるよりもより深い理解が得られると思っています。

また、一度自分で気づきを得られた子どもは、その喜びを知っています。

次もその瞬間を探そう!という気持ちでレッスンを受けるようになってくると、学びの質が変わって、「モヤモヤ」の瞬間を自分から「スッキリ」に変えようとする意識が高まります。

そばでお子さまのようすを日々ご覧になっている親御さんにとっては焦りのような気持ちを抱くこともおありになるかもしれませんが、大人が決めた学習要綱に沿って急いで指導し、子どもたちの理解を置き去りにするのではなく、目の前の子どもたちが本当に理解できているのかを見極めることが、私のような小さな教室をやっている指導者の役割だと思っています。

教室に来てくれる子どもたちの「モヤモヤ」を、気づきを与えられるチャンスと捉えて、「モヤモヤ」が生まれる瞬間を見落とさないよう、子どもたちのようすを見守り続けたいと思います。

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